とけろぐ

宇多田ヒカル「SCIENCE FICTION TOUR 2024」の感想

HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024 Aichi Sky Expo day2(愛知2日目 7/20)に参戦

宇多田ヒカルのライブに行ってきた!

私は10年来の宇多田ヒカルのファンである。思春期にいろいろ悩みを抱えていて、その頃は宇多田ヒカルが心の支えだった。(今もかもしれない)

宇多田ヒカルの歌によって描かれる心象風景があったから、私は青年期危機を乗り越えられたと思っている。私の中で宇多田ヒカルは信仰に近い。ということで、イスラム教徒がメッカを巡礼するように、私は宇多田ヒカルのライブがあったら参戦するのである。実は2万円近いチケット代に怯んで、申し込むかかなり悩んだ。

ということで、ここからはネタバレを含む感想である。

セトリ

  1. time will tell
  2. Letters
  3. Wait & See ~リスク~
  4. In My Room
  5. 光 (Re-Recording)
  6. For You
  7. DISTANCE - m-flo remix
  8. traveling (Re-Recording)
  9. First Love
  10. Beautiful World
  11. COLORS
  12. ぼくはくま
  13. Keep Tryin’
  14. Kiss & Cry
  15. 誰かの願いが叶うころ
  16. 衣装替え(くまちゃんのSFチックなアニメーション)

  17. BADモード
  18. あなた
  19. 花束を君に
  20. 何色でもない花
  21. One Last Kiss
  22. 君に夢中
  23. アンコール

  24. Electricity
  25. Automatic

time will tell~First Love(アルバム1作目~3作目)

time will tellを聴けたのは本当に感動した。2010年のWILD LIFEでのtime will tellがすごく良くてオリジナルよりも好きなので、今回聴くことができてとても嬉しかった。今の大人の声が曲に合う気がする。25年を経て本当にtime will tellだなぁと思った。

Lettersを聴けたことも本当に感動としか言いようがない(語彙力)。Lettersは母の藤圭子が題材の歌なので、母の死後もう聴くことはできないと思っていた。

前回のLaughter in the darkではアルバム2作目 Distanceからの選曲がなかったので、今回はDISTANCE、Wait & See ~リスク~、For Youが聴けてとても嬉しかった。DISTANCEがm-flo remixなのは意外性があって良かった。ちなみに、私は宇多田ヒカルの万人受けする最高傑作がDISTANCE+FINAL DISTANCEだと思っている。Wait & See ~リスク~は生で聴いて歌詞の良さを再認識した。大好きなFor Youは生で聴けて感激した。デビュー25周年の「誰かの為じゃなく自分の為にだけ歌える歌があるなら 私はそんなの覚えたくない」はずっしりと響いた。

In My Room、私の記憶では2004年 ヒカルの5以来の選曲である。私の生涯で生で聴くことができるとは思わなかった。少女の歌のはずなのに、今の宇多田ヒカルが歌うと大人の歌に聴こえるのが不思議だった。ちなみに同系統の世界観の曲として日曜の朝があるのだが、これもいつかライブで聴きたい!

ちなみに、私の席周辺に宇多田ヒカルオタクのような人は少なく、ここまでに紹介した曲はピンときてなさそうな人が多かった😢

光、traveling、First Loveは言うことなし。光のRe-Recording版の終わり方が好きである。travelingの歌詞を間違えた宇多田ヒカルがかわいすぎた。コール&レスポンスの反応は鈍め笑

Beautiful World~誰かの願いが叶うころ(アルバム4作目~5作目)

アルバム4作目 ULTRA BLUEからはCOLORS、Keep Tryin’、誰かの願いが叶うころ。

私はKeep Tryin’がとても好きで(遅刻魔なので)、ネタバレを見てセトリにKeep Tryin’が含まれていることを確認してからずっと待ちわびていた。実際に生で聴いて、1フレーズごとに元気をもらった。ただ、「タイムイズマネー」~「国家公務員」~「ダーリンがサラリーマンだっていいじゃん 愛があれば」が丸々カットされていた。確かに今の世の中この歌詞は炎上するかもしれない。帰宅後、宇多田ヒカルファンではない友達にその話をしたら
「2006年ってちょうど就職氷河期が終わった頃で、当時の若者の就職は決して良くなかったよね。その世代に『将来、国家公務員だなんて言うな 夢がないな』はさすがに鬼畜だよね。」
と言われて、ぐうの音も出なかった。

誰かの願いが叶うころも私の人生でライブで聴ける日は来ないと思っていたので、聴くことができてうれしかった。ただ、歌のメッセ―ジがとても重くて、ライブとは思えないぐらい会場がしんみりした雰囲気になっていた。

5作目 HEART STATIONからはぼくはくまとKiss & Cry。

ぼくはくまで「ぼんじゅーる!」の声出しをやりたかったが、それはなかった笑。オリジナル音源と同様に「九九 くま ママ くま くま」のママだけ感情がこもった歌い方で、童謡なのに切なかった。2000年生まれの私にとって最も世代ジャストな宇多田ヒカルの歌がぼくはくまである。小学校の給食で週何回も流れていたことを思い出す。その頃は宇多田ヒカルの歌だとは知らなかったけれど。

Kiss & Cryはライブの定番曲となっている。今回も「娘さんのリストカット」の歌詞が採用されていた。国家公務員はだめなのにリストカットはOKなのか~と思ったが、BADモードでジアゼパムが使われているぐらいだし良いのか。今日日、平衡が崩れそうになっている家庭の象徴として「お父さんのリストラ」「お母さんはダイエット」と並んでインターネットが用いられる方が問題がありそうだし。

衣装替え(くまちゃんのSFチックなアニメーション)

WILD LIFEの冒頭のアニメーションとテイストは似ていた。神経好きとしては神経細胞がアニメーションに登場したことが嬉しかった。

BADモード~君に夢中(アルバム6作目~8作目・ベストアルバム)

最近の歌はやはり安定感がある。BADモード、あなた、花束を君には母としての宇多田ヒカルを強く感じる歌い方だった。「25年間いろいろあったけど、今思うと良かったと感じます(うろ覚え)。25年分のありがとうがたくさん詰まった歌です」という紹介から花束を君にが歌われて、胸にグッと来るものがあった。

8作目 BADモード・ベストアルバムからの選曲は意外だった。個人的にはTime、PINK BLOOD、Gold 〜また逢う日まで〜は歌われると思っていた。今後のライブでまた聴きたい。One Last Kissは予想通りの選曲だった。私がカラオケで歌うと永遠に感じる「オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オゥオ…I love you more than you’ll ever know」もなぜか宇多田ヒカルが歌うと一瞬に感じた。

何色でもない花、君に夢中も良かったなぁ。

アンコール

アンコールはElectricityとAutomatic。最新曲と最古曲での締め。

私はElectricityを聴いてアルバム参戦を決意したといっても過言ではない。近しい人に陰謀論にハマり気味な人がいて、陰謀論との戦いは近年私の人生の課題の1つになっている。そんな中で「解明できないものを恐れたり ハマる 陰謀論に そんな人類に~」と歌ってくれたことが、アルバム参戦の後押しとなった。正直「あっちゅう間」は古いよ~と思った自分もいるのだが、やはり宇多田ヒカルは時流を掴むのが上手い。そんなElectricityを聴けて大満足であった。Electricityはメロディやリズムも良い。

Automaticは言うことなし。ソファとともに歌い始めたのがおもしろかった。もちろんIt’s automaticではブンブン拳を突き上げた私であった。

トーク

この日の宇多田ヒカルのトークはとにかくかわいくて、当たり回だったと思う。

録音などはしていないのでうろ覚えだが

「愛知は本当にムシムシして暑いね~。厳しい環境の星の宇宙人が他の星に行ったら最強!みたいな感じで、愛知の人は他の場所に行っても強いんじゃないかな?」

「愛知県国際展示場は、埋立地なんだね。埋立地って何でできているのかな。ゴミかな?ゴミパワーと海パワーでがんばろう!いや、がんばるっていうのはおかしいか?最後まで!楽しもう!」

などの名言(迷言?)をたくさん聞けて、これぞ宇多田ヒカルという感じで私にとっては最高だった。宇多田ヒカルは私より20歳近く年上なのだが、かわいいの一言に尽きる。

「25年間ありがとう。これからの25年間もみんなにとって良いものになるといいな」という発言もとてもうれしかった。とにかくこの日の宇多田ヒカルはたくさん感謝を伝えていたのが印象的だった。思わず私も「ヒッキーありがとうー!」と何回も叫んでしまった。

総括

宇多田ヒカルの歌は不思議と生で聴く方がすごく上手に感じる。スマホなどのマイクでは拾えない何かがあるのだと思う。次回もライブがあったら絶対に行く。

やはり宇多田ヒカルは私の中で巡礼すべき聖地に近い存在である。そのときにどのような気持ちだったとしても、そこに行けば何らかの満足や納得が得られる。

実際に2018年にLaughter in the darkに行ったときは大学受験真っ只中だったのだが、聖地を巡礼したことで「うまくいかなくても、とりあえずやろう」という気持ちになることができて、それが今に繋がっている。

これからの25年間も宇多田ヒカルの歌とともにがんばりたいと思った1日であった。