とけろぐ

意識障害におけるCMD(Cognitive Motor Dissociation)について

参照

Y.G. Bodien, J. Allanson, P. Cardone, A. Bonhomme, J. Carmona, C. Chatelle, ...N.D. Schiff: Cognitive Motor Dissociation in Disorders of Consciousness, N Engl J Med 391:598-608, 2024

https://doi.org/10.1056/NEJMoa2400645

研究テーマ

意識障害におけるCMD(Cognitive Motor Dissociation)について調べるために大規模前向きコホート研究を行った。

CMD=Cognitive Motor Dissociationは日本語にすると「意識と運動の解離」か?

何らかの動作をするよう口頭で命令をした際に、実際に動作をすることはできなくても、fMRIや脳波では反応が見られることがあり、これをCMDと呼ぶようだ。

方法

研究対象

意識障害を有する18歳以上の患者が多国籍の6施設から登録された。(REDCapを使用)

研究手法

研究スタッフがCRS-R(Coma Recovery Scale-Revised)を用いて患者の意識障害を評価した。

CRS-Rは重度の脳損傷を受けた患者、 特に植物状態や最小意識状態の患者の意識レベル評価ツールであり、意識レベルの軽微な変化を検出することに優れている。

参考: CRS-Rとは?- HOKUTO

CRS-Rの点数が1点以上の患者さんについて、CRS-R評価の前後7日間に命令(「手を開いたり閉じたりする」など)に対するfMRIまたは脳波の反応を評価した。

※CRS-Rを実施した検査者はfMRIと脳波所見を知らなかった。

研究結果

全353人
fMRI・脳波で反応あり fMRI・脳波で反応なし
命令による動作あり 43 69
命令による動作なし 60→CMD 181

※命令による動作なし:昏睡、植物状態

→昏睡、植物状態の参加者の25%がCMDを示した。この割合は先行研究よりも高い。

CMDを示した参加者の特徴

Discussion

自分の感想

「CMDの患者さんはどのような内面世界で生きているんだろう」と思った。

fMRIおもしろい…