自己免疫性GFAPアストロサイトパチーについて 2023-12-20
自己免疫性GFAPアストロサイトパチーとは 新しく提唱された髄膜脳脊髄炎で、髄液抗GFAPα抗体が陽性となる。 症状は発熱、頭痛、意識障害、髄膜刺激徴候、振戦、ミオクローヌス、小脳性運動失調、排尿障害など。 発症は急性~亜急性が多いが、慢性のこともある。 ステロイドなどの免疫療法が奏功する。 発症年齢のピークは40代だが、幅広い年齢で発症する。男女差は明らかでない。日本では決して稀な疾患ではない。 特徴的な検査所見 頭部MRIではT2WIやFLAIRで視床後部に高信号を認める。 頭部造影MRIで血管周囲に線状のガドリニウム造影効果を認める。 低Na血症 髄液検査でADA(adenosine deaminase)高値、リンパ球優位の細胞増多 鑑別すべき疾患 gliomatosis cerebri、lymphomatosis cerebri 橋本脳症 結核性髄膜炎 参考 新たな髄膜脳脊髄炎「自己免疫性GFAPアストロサイトパチー」についての検討 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文,岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 下畑享良先生,2019(Accessed 2023/12/20,at https://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/f7c43730ebe083a316520b3cf7f8b0ce ) Kimura A, Takekoshi A, Yoshikura N, Hayashi Y, Shimohata T. Clinical characteristics of autoimmune GFAP astrocytopathy. J Neuroimmunol . 332:91-98, 2019 片上隆史, 藤原悟, 秋山智明, 清水祐里, 原重雄, 川本 未知:特徴的な画像所見を呈し脳生検を行った自己免疫性 glial fibrillary acidic protein(GFAP)アストロサイトパチーの 1 例.臨床神経学 61(11):756-761, 2021