とけろぐ

Mirror's Edge以上の情報統制

📁 カテゴリ: 日記

私は一人称視点パルクールゲーム「Mirror's Edge」が好きだ。操作やグラフィックも好きだが、設定・ストーリーが印象深い。

Mirror's Edgeは、少数のコングロマリットによって支配された近未来世界を舞台にしている。監視と情報統制が進んでいるが、ほとんどの住民は利便性からコングロマリットによる支配を歓迎している。主人公いわく「変化は緩やかに進んでいったから、誰も気づかなかった」そうだ。

一部の反体制派は情報統制を嫌って、情報を手渡しでやり取りしている。主人公はランナーと呼ばれ、走って情報を手渡しで届けることを生業としている。すなわち飛脚である。

情報を手渡しで届けるなんてナンセンスだと思うかもしれないが、我々はMirror's Edgeを笑えない世の中に生きている。

我々はありとあらゆる情報、生活の大部分がITコングロマリットの管理下に置かれている。情報を表示するアルゴリズムはブラックボックスだ。おまけに最近はインターネット上のありとあらゆる情報を取り入れた大規模言語モデルが普及した。多くの人が大規模言語モデルの吐き出したテキストをそのまま信じていて、情報の出どころはますます分からなくなった。情報統制なんて赤子の手をひねるより簡単だ。結果、某隣国を見ても分かるように、post truthの時代となった。

我々の生きている世界もゲームの中と同様に、もはや物理的な手渡しぐらいでしか、ITコングロマリットから独立した状態で情報をやり取りすることができないのである。

Mirror's Edgeは2008年、16年前のゲームで、もちろん当時もインターネットは存在した。ただ、状況はどんどんゲームの設定に近づいている。ただ、飛脚のような存在に大枚をはたく人がいないあたりからして、ゲームの世界よりも現実世界の方がさらにコングロマリットへの信頼が厚そうである。