脳神経画像診断・脳梗塞について
📁 カテゴリ: 臨床医学
MRI画像の種類と特徴
T1強調画像
- 血腫、脂肪、代謝性疾患(肝性脳症、糖尿病など)で高信号
- 信号強度は灰白質<白質
- 解剖構造全体の輪郭を捉えるのに適している
- Gd造影により病変の造影効果を評価可能
T2強調画像
- 血腫、アミロイド、ヘモジデリンで高信号
- 信号強度は灰白質>白質
- 浮腫性変化や髄液腔の評価に適している
FLAIR
- 画質が良く、白質病変の検出に優れている
- T2の水分信号を低下させたもの(髄液が低信号)
- 病変が液化しているかどうかの評価が可能
- 脳幹部ではアーチファクトが強い→T2で判断
T2*画像
- 出血、鉄沈着、石灰化が低信号として描出される
- 微小な出血の検出に有用
- 脳アミロイドアンギオパチーの診断に重要
DWI(拡散強調画像)
- 急性期脳梗塞の診断に最も鋭敏
- T2 shine-through効果と区別するためにADC MAPを併用する
- T2 shine-through効果:T2の高信号域がDWIでも高信号となる
- 細胞性浮腫を高信号として検出
急性期脳梗塞
MRI所見
- DWIでの経時変化:発症直後から高信号、3~5日でピーク、その後徐々に低下
脳梗塞の病型別治療
- アテローム性脳梗塞・ラクナ梗塞
- 心原性脳梗塞
- 治療:抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)
- 出血性合併症のリスクが高い
その他の脳梗塞病型
- BAD(Branch Atheromatous Disease)
- 一見ラクナ梗塞に似るが、発症後数日かけて徐々に悪化
- 穿通枝入口部のアテローム硬化が原因
- 分水嶺梗塞
- ショック、DICなどの全身性循環不全で認められる
- 主要血管支配領域の境界部に生じる梗塞
- 椎骨動脈解離
- 診断:BPAS(Basi-Parallel Anatomical Scanning)で血管の外形が見える
- CT-angio、MR-angioとの比較で偽腔の評価が可能
- 合併症:部位によっては小脳、延髄、脊髄などの梗塞を起こす
- 治療:明確なコンセンサスはないが、一般的には降圧治療が行われる
- Top of basilar syndrome
- 脳底動脈から後大脳動脈が分枝する部分の閉塞
- パーチェロン動脈(視床穿通枝)がある場合、ラクナ梗塞でも発症する
- 脳底動脈の心原性塞栓症で発症することが多い
- 特徴:意識障害が出現
- CADASIL(Cerebral Autosomal Dominant Arteriopathy with Subcortical Infarcts and Leukoencephalopathy)
- 若年者で脳梗塞を繰り返す遺伝性の脳小血管病
- NOTCH3遺伝子の変異が原因
- PACNS(Primary Angiitis of the Central Nervous System)
- 中枢神経原発血管炎
- 若年者で脳梗塞を繰り返す非遺伝性疾患