今日、家で3時間一気に読んでしまった村上春樹の「国境の東、太陽の西」の個人的解釈を書きます。
わたしは村上春樹作品がけっこう好きだったので(ただエロシーンが多いんだよなぁ(-o-;))読むことにしたのですが
つまらないという感想が多いので実はあまり期待していませんでしたが、よかったです。
アフターダークと同じような「少し不思議な現実」系でしたね。
村上春樹さんの少し現実的な作品もわたしは良いと思います。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドぐらいファンタジー要素の強い作品は余韻はありますが少し疲れてしまうので。今作はそこまでファンタスティックでないので「村上ファンタジー」が苦手な人でも楽に読めると思います。
解釈が分かれるラストシーンですがわたしは「夢」に1票です。
しかし、多数派の説の教科書会社の社員時代からの夢ではなく、ちょうど主人公が島本さんに会いに行かなくなった中学生の頃から全てが夢だとわたしは思います。
島本さんは、現実世界でも多くのことを変えられたが、夢の中では他人と自分に潜む悪の面を教えてくれた。主人公にとって忘れられないたった1人なのだ。
といういわば大切な初恋の物語です。
まさに宇多田ヒカルのFirst Loveの「Now and forever you are still the one.」です。
しかし全てが現実で、島本さんとかイズミは過去を忘れるための存在で、
主人公は島本さんとかイズミの再登場で吹っ切れたのだという説やイズミも島本さんも幽霊という説、島本さんはあの後自殺してしまうという説も、納得できます。
多分本当はそれらの悲しい現実なのでしょうが、それは何だか切なすぎるので淡い初恋の物語だと信じていたいです。