夏休みで暇なのでヘルタースケルターを見た。おいしっかりしろ受験生。
当時沢尻エリカが脱いだ!と王様のブランチで騒がれていたのをぼんやりと覚えてはいたが冒頭から激しかった。
というのはおいといて。
全身を整形しマネージャーを振り回し色欲に溺れた末に最後は容姿が崩れる恐怖とライバルへの嫉妬で狂ってしまう「りりこ」は視聴者に共感される人物ではない。ここまで共感できる部分が1つもない悪魔のような主人公の映画も珍しいと思う。しかしだからといって他の登場人物に共感できるかというとそんなことはない。スーパーモデルでみんなにちやほやされていながらそれを気にも留めていない「こずえ」が近くにいたら憎々しいことこの上ないし(私が嫉妬深いせいか)、若いモデルを整形手術してヒットさせそてそのお金を猫ババする「ママ」なんて論外だ。唯一一般人に見えるのは「羽田ちゃん」だがあまりに献身的な「りりこ」への尽くし方に狂気を感じる。愛すること=逃さないこと、つまりりりこを強く愛する羽田ちゃんはその愛の強さと同じぐらいりりこを苦しめているのだ。
最後りりこの人生は続くというかのような余韻を残して終わる。りりこは恐怖から逃れられない。
先ほど「りりこは共感できない主人公だ」と書いたが実は違うのだ。最初から最後まで恐怖とそれを忘れるためのもの(色欲)に突き動かされるりりこは自分たちの暗部そのものだから、逃避して、自分から遠いものであるかのように感じてしまうのである。